「銀行冬の時代」を迎えた。<br />東京に本店を持つ大友銀行、その頭取、大友尚久は、突然に大蔵官僚の意思決定として、金融再編成の話を聞かされた。<br />具体的には、東京に地盤作りを目指す関西のライバル銀行への吸収合併を意味していた。<br />その場では、何の条件も出さずに「了承」を装った大友であったが……!? 醜くも権謀術数の限りを尽くす、新銀行誕生の裏側を敢然と描破!