車窓を流れる汽車の黒煙。<br />基地に佇む機関車の勇壮な姿。<br />幼少期の朧な記憶。<br />大学生のときに出合った一冊の本が、有栖川青年に眠っていた「テツごころ」を覚醒する。<br />学生時代、友人との貧乏旅行、車窓にかぶりつく道楽亭主の隣で熟睡する妻とのふたり旅……。<br />著者が、乗りテツ遍歴を明かし、ミステリーと鉄道の親和性を説く。<br />「この鉄ミスがすごい! ベスト60」収録。<br />