証券担保金融という怪しげな会社を経営する犬塚誠のところに、十兆円の儲け話がもたらされた。<br />日露戦争で財宝を積んだまま沈んだ軍艦を引き揚げるための、資金提供者を探してくれというのだ。<br />犬塚は政財界の黒幕に取り入り、三十億円を捻出させたが、そこには恐るべき罠が……。<br />現代欲望社会の裏面を凄絶に描く内幕経済小説。<br />