証券市場は、岩戸相場の終焉で沈滞気味であった。<br />最大手・大山証券の事業法人部次長・庵達夫は、新しく発足する市場第二部で、業績の悪い東洋紅藻工業の株を任された。<br />この会社は莫大な借入金に苦しんではいるが、技術は非情に優秀である。<br />庵は、立て直しに全力を傾けた。<br />しかし、再建寸前に……!? ビジネスマンの本質と悲哀を鋭くえぐった傑作長編企業小説。<br />