越後小千谷(えちごおぢや)から名門大学に進学した北原甲平(きたはらこうへい)は、苦学生であった。<br />そして、医者として成功し、不動産業に転向してからも巨額の財をなし、不動産業界の寵児と呼ばれるに至った。<br />その男が今、東京拘置所に収監されようとしている。<br />――一体、彼になにがあったのか。<br />一人の男の流転(るてん)を通して、バブル経済の本質を追究した長編経済小説。<br />