父の不安はわかる。<br />寂しさもわかる。<br />孤独もわかる。<br />想像できる。<br />想像するだに胸がつぶれる。<br />しかしだからといってこの生き方はなさけない。<br />納得できない。<br />いや私が納得するもしないもない。<br />それが父の生きざまなんだから、それを引き受けるしかない。<br />(本文より) 詩人・伊藤比呂美が日本とアメリカを往復する遠距離介護を通して、「私が頼りにもしてきた」父の最期に寄り添い切った3年半の記録。<br />