かつて「天才高校生作家」の触れ込みで華々しくデビューした榛名忍は今、燻っていた。<br />そんな折、東京五輪の開催が決まり、担当編集者からスポーツ小説を勧められる。<br />なりゆきで競歩の小説を書くことになり、大学の陸上部の練習を見に行くと、ただ一人の競歩選手・八千代篤彦が黙々と歩き続けていた――。<br />競歩の面白さを余すところなく描いた、青春小説の傑作!