少女期『アンネの日記』を読み、作家を志した小川洋子。<br />アンネの悲劇的境遇だけではなく、言葉が心を表現することに衝撃を受けたからだ。<br />以来、アンネを心の友にしてきた著者は万感の思いでアンネの足跡を訪ねる。<br />フランクフルトの生家、アムステルダムの隠れ家、アウシュヴィッツへと歩き、フランク家の恩人ミープさん、親友ヨーピーさんと語り合う。<br />少女の言葉に導かれた作家の魂の旅路である。<br />