師匠、御乱心!
問題作復活! 落語界を揺るがした大事件。
師匠に翻弄される弟子たちの悲哀と混乱、そして敬愛と憎悪のすべて。
「もう決めた、あたしゃ、伝家の宝刀を抜く!」昭和53年、名人・三遊亭円生は、柳家小さん率いる落語協会の真打ち量産体制に異を唱え、一門を率いて協会を脱会した。
この騒動に落語界は大揺れし、円生の弟子たちは翻弄された。
当時、自身が見た真実をどうしても書かずにおられないと、弟子の一人で騒動の最大の被害者でもある円丈が書き上げたのが、本書である。
見たまま、感じたままを、忖度なく実名で書き綴った赤裸々な本書は、刊行当初、世間を騒がせ、関係者を困惑させ、あるいは激怒させた。
その問題作を、30年あまりの時を経て復刊した。
この間、立川談志、古今亭志ん朝、先代三遊亭円楽ら、登場人物の多くが鬼籍に入った。
一方、本書の文芸としての価値が見直された。
文庫化にあたって、後日譚を書き加え、さらに三遊亭円楽・小遊三両師をまじえ、騒動のその後を語った「三遊鼎談」を収録した。
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