隼人(はやと)はデパートの凄腕外商部員だったが、自身が招いたトラブルで企画課に左遷された。<br />腐る気持ちを抱えつつ、仕事で訪ねた日本酒の酒蔵で、桜の下に佇む美しい青年・要(かなめ)を見かける。<br />彼は杜氏(とじ)の見習いで、清冽なる酒の作り手だった。<br />だが頑なに心を閉ざし、隼人の差し出す手を振り払う。<br />やがて知る、要や周囲を傷つけた過去のある事件。<br />仕事のつもりが、いつのまにか要の孤独と傷に本気で向かい合うようになり……。<br />