三年が経った。<br />あれ以来、彩継は二度と小夜を抱いていない。<br />耐えに耐えた。<br />漫然と男女の結合を続けるのが惜しかったからだ。<br />二十歳になったら最高の女にしてやる、それまで、あと半年。<br />自分の愛撫に身悶えする小夜はいっそう妖しく美しかった。<br />もう誰も触れてはならぬ女だ--。<br />しかし小夜の本当の魔性を知らないのは、彩継のほうだった……。<br />