昭和17年戦時下、20歳の山田風太郎は日記を書いておこうと思い立つ。<br />「日記は魂の赤裸々な記録である。<br />が、暗い魂は自分でも見つめたくない。<br />(略)しかし嘘はつくまい。<br />嘘の日記は全く無意味である」戦争のまっただ中、明日の希望もなく、精神的・肉体的飢餓状態にある一人の青年がここにいる。<br />