村の金持、こたつを作ると、村の者めずらしがり「隣の与次兵衛どんのところでは、畳を四角に切って四本柱を立てて組み、天井をつけた。<br />あれは何じゃ」といって見に来る。<br />あとから行った者、帰ってから「残念な、遅かった。<br />もう布団をかけて見せなんだ――(こたつ)」。<br />江戸時代、人々に愛され語りつがれた艶噺、こっけいな話を、当時の気分を伝える訳文で送る、ひとつの「生活史」。<br />今に使える笑いのいろいろ。<br />