いにしえより、鳥、蝶、蜜蜂、心臓などに託されてきた魂の形象。<br />それらは、人間が無辺際の虚空を宿し、宇宙の反映でもあることの表れとして捉えることができる。<br />例えば、水鳥は、その自在な動きにおいて、肉体の束縛を離れた魂のありかたと照応するものであっただろう。<br />古人は、そこに単なる比喩にとどまらない、確かな実感を込めたのではなかったか。<br />夢のようでありながら、しかし真実でもある霊魂について、明澄なまでに想念をめぐらした詩人の代表的エッセイ。<br />