紫陽花を愛し、鎌倉雪ノ下に永く暮らした近代日本を代表する日本画家、鏑木清方は、名随筆家でもあった。<br />挿絵画家の父の影響で若いころから文藝に親しみ、泉鏡花とも親交があり、多くの随筆集を残した。<br />失われた市井の人々の暮らしへの尽きることのない愛惜、清方の晩年の折々の記、その源泉を辿る。<br />