日本橋を渡り、かつて焼け落ちた白木屋に思いを馳せ、墨田川沿いで美女にたばこの火を拝借。<br />都心の花街・荒木町で耳に届く粋な三味線の音。<br />両国で元小結の息子が作るカツカレーを堪能し、目黒では、五百羅漢の言葉に首を垂れる。<br />歴史の横顔。<br />ほろ苦い別れ。<br />東京をこよなく愛した著者がそぞろ歩く、艶なる街々。<br />(※本作は、2015年3月に小社より刊行された単行本から、東京二十三区内の回を選び、文庫化したものです。<br />)