日本はじっこ自滅旅
「ガブガブ酒ばっか飲みくさりよって、早く出てゆき!」という嫁の言葉に、行先考えずに家を飛び出した、アルコール依存症の僕。
そうして僕は、日本のあらゆる「はじっこ」を旅し始めた。
厳冬の能登、薩摩半島、種子島に千葉の先っぽ……。
空にむかって「ゴメン」とつぶやきながら酒を飲む。
切なくユーモラスなエッセイ集。
これは旅なのか? 逃亡なのか? /……桜島を一望出来る鹿児島市内の丘の上にあるホテルにいると、ひさしぶりに家内から電話がかかって来た。
受話器の向こうから、「しばらく帰って来ないで」と、か細く、しかし思いつめた声が聞こえた。
一瞬どう答えようか戸惑った揚句、「それも、そうだよなあ」と一言、電話を切った。
――<本文より抜粋>
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