男
男は黙ってよく働いているだいじにしなければなあと思う歿後30年。
「男」をめぐる初の随筆選。
羅臼の鮭漁、森林伐採、ごみ収集、救急医療、下水処理、少年院、橋脚工事――日常の暮らしを支える現場で働く男性たちに注ぐ、やわらかく細やかな眼差し。
現場に分け入り、プロフェッショナルたちと語らい、自身の目で見て体感したことのみを凜とした文章で描き出す、行動する作家・幸田文の随筆の粋。
(収録作品)男(濡れた男/確認する/切除/火の人/傾斜に伐る/都会の静脈/まずかった/ちりんちりんの車/救急のかけはし/並んで坐る/橋)ちどりがけ当世床屋譚植える出合いものいい男男のひと素朴な山の男男のせんたく男へ
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