繭から糸となり布に織られ、娘の晴着となり、嫁に贈られ、時を経て蒲団に再生され、はたきとなって命数が尽きる――絹の巡る道が暗示する、女と着物のかかわりの深さと面白さ。<br />折々の悲しみや喜びがしみこんでいる着物たち。<br />数々の花模様の着物とそれに纏わる女たちの姿を鮮やかに描き、着物への愛着と思い出が美しく繰り広げられる、半自伝的エッセイ。<br />