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強制終了、いつか再起動

「薬物なんてさ、一生自分とは関係ないって思ってたし。
前の学校で、そういう授業受けたとき、こんなのやるわけねー、って思ったし。
でも、ふわっと目の前に薬物が現れると、思いがけなさすぎて現実味失う。
仲いい人がやってて、その人が異常者でもなく、ごくフツーに見えるとさ」(本書より)地方から東京の中高一貫の私立中学に編入した加地隆秋(かじ・たかあき)は、勉強の進度に追いつけず、運動神経も悪い自分が周囲から浮いていると自覚している。
そんな加地は、家庭教師の大学生、安岡を慕い、自宅に遊びに行くことになった。
安岡の部屋で見つけたプラスチックケースから出てきたのはガラスのパイプと苔色の何かだった。
加地はすすめられるがまま、大麻を吸った――。
薬物の魅力に抗しがたく変わっていく加地。
その変化に気づいたのは、チャンネル登録者数をとにかく増やしたいYouTuberの伊佐木周五(いさき・しゅうご)、そして動画作成を手伝うことになった麻矢夕都希(まや・ゆづき)だった。
「チーム」シリーズなど児童向けエンタメをヒットさせる一方、犯罪加害者の家族に光を当てた硬派な物語も手がけてきた吉野万理子氏。
彼女が今回テーマに選んだのは、児童書の世界で取り上げられてこなかった「中学生の薬物依存」です。
薬物依存者の回復サポートにあたる団体「日本ダルク」で、薬物にどっぷりと依存した経験のある人たちへの聞き取りを行うなど、さまざまな取材によって裏付けられた社会派のヤングアダルト小説です。




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