湯豆腐やいのちのはてのうすあかり神田川祭りの中をながれけりなにがうそでなにがほんとの寒さかな小説家・劇作家として大成した万太郎は、10代より亡くなる直前まで、俳句を作り続けた「文人俳句」の代表的俳人でもあった。<br />本書は、万太郎が創刊・主宰した俳誌「春燈」の継承者が、その俳句の魅力と技術、交友関係までを哀惜と畏敬の念を込めて綴った名著であり、万太郎俳句のすぐれた入門書でもある。<br />俳人協会評論賞受賞作。<br />