【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】今はなき母の作るイクラ漬。<br />艶めいた絶世の美女のごとく品のよい松葉ガニ。<br />少し失意のときに似合う焼きツブ。<br />少年時代を思い出すトウキビの香り――。<br />北海道に生まれ、豊饒なる大地と海の、旬の味を噛みしめて育った著者が、食べ物へのこだわりと、深い愛着をこめて語る食の自分史、美味なるエッセイ。<br />‘食べる’ということは、素材を、季節を、人生を味わうこと。<br />