あの日を刻むマイク ラジオと歩んだ九十年
1945年8月14日、女子アナウンサーだけ集められた部屋で上司にこう告げられた。
「明日、日本は負けます。
反乱軍がきて『この原稿を読め』などと言われても、抵抗する必要はありません。
まず自分の身を最優先に考えなさい」。
激動の時代を生きた一人の女性が語る日本の昭和史、平成史。
戦前から戦争を経て、戦後、そして高度経済成長期、平成。
家庭と職場を両立させながら、アナウンサーとして、ディレクターとして、女性として、世の中に絶えず問題提起を続けた彼女にしか語れない言葉がある。
様々な著名人との出会いやエピソードを交えつつ、ラジオを通して、いま改めて近代日本が歩んできた道を振り返る。
戦争経験者が少なくなる中、時代の証言として後世に残したい珠玉のエッセイ。
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