小説家を志していたわけではない──。<br />戦争疎開のいじめと敗戦を経験した少年時代。<br />父を亡くし生活苦のなかの早稲田大学進学、在学中の結核発症。<br />闘病後の就職難を経て、国立国会図書館に勤務し始めると、執筆の誘いが……。<br />思えば、温かな家庭の原体験と折々の読書が、いつしか作家活動の基盤となったのかもしれない。<br />短編の名手が、辛口ユーモアを交え自己を省みて綴る時代批評&自伝エッセイ。<br />