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われは歌えどもやぶれかぶれ

〈このタイトルは室生犀星が「純文学誌」に書いた小説をぼくが高校生のときに授業中に読んでいて──小便がでなくて苦悩するこの小説に首をかしげていたものだ。
尿が出ない苦悩、なんて高校生には意味がわからなかった。
今は前立腺肥大によるものと理解できる。
そのときの犀星は七十二歳でいまのぼくがそれと同じだ〉。
モノカキ人生も40年を過ぎると体のあちこちにガタがくる。
長旅はおっくうになり草野球では長打が打てず、極悪ピロリ菌や不眠症のせいで若い頃は無縁だった通院が日課に……とこぼしつつも痛飲、シメキリ地獄に身を委ねて原稿を量産し、食が細くなったのについ大盛りを頼んでしまう、やぶれかぶれなシーナさんの日常と非日常。




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