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ポール・ヴァレリーの遺言 わたしたちはどんな時代を生きているのか?

堀江敏幸さん推薦!《二度の戦乱を生き、精神の危機を見すえていた詩人の声に耳を傾けながら、著者はそこに諦念ではなく希望を上塗りして、二十一世紀に生きる人間への信頼を言葉で回復しようとつとめた。
稀有なユマニストの思索の跡がここにある。
》「わたしはおよそ四十年ぶりにパリにもどって来た」。
一生をパリに捧げたフランス文学の泰斗が邂逅する、さまざまな時代の、記憶のなかの人々。
みずみずしい最後の随想集。
「わたしを東京にひきとめるどんな係累も、どんな仕事も、すでになかった。
そのときわたしは、古来稀なり、といわれる年齢に近づいていたけれど、歳など問題でなかった。
残りの人生を賭けるつもりで、半分は運命のめぐりあわせを受け入れて、もう半分は自分の意志で、力が衰えはじめたからだを、若さの盛りにあったわたしを見守ってくれたパリの懐にもういちどゆだねてみようと、こころを決めたのだった。
ある年の四月、わたしはおよそ四十年ぶりにパリにもどって来た」(本文より)




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