北朝鮮にスマッシュ。
東京発・平壌行、5泊6日食事付き27万円ツアー顛末記 ある日、デザイナーの浅葉克己さんから誘いを受けた。
北朝鮮チームと卓球の親善試合ができそうだから、従軍記者としてついてこないか、というものだ。
さまざまな疑問と不安を感じながら、ひたすら僕は見たもの感じたものをノートにメモし続けた……。
「デートはどこでしたの」?中略?「それは橋の下です。
共和国の男女はだいたい橋の下でデートをします」「何回目のデートで結婚を決めたの」「四回目です。
三回デートして四回目で決めました」「共和国にもゲイはいるんだ」?中略?「いえいません。
表向きはいないことになっています」そう言ってしまってから、思わず金さんの口元がニヤリと綻んだ。
「共和国では避妊はどうしてるの」意地悪な質問もしてみた。
「はい、ピルを使用します。
コンドームは性感を悪くしますから、あまり使われていません」 まだ拉致被害者問題もテポドン騒ぎも一般的でなかった1998年8月、北朝鮮の人々と触れあった7日間の‘ピンポン・ミステリー・ツアー’。
今だからこそ書ける、著者入魂の「長いまえがきとして『半島の血、いずるところ』」を電子オリジナルとして特別収録。
第一章 北京発、平壌行き「深夜特急」第二章 朝焼けの「迷宮」第三章 地下一〇〇メートルの邂逅第四章 二つの三八度線第五章 共和国への地下水脈●神山典士(こうやま・のりお)1960年埼玉県生まれ。
信州大学人文学部卒業。
ノンフィクション作家。
主な著書に、第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞作『ライオンの夢 コンデ・コマ=前田光世伝』(小学館)、『ひとりだちへの旅』(筑摩書房)、『「日本人」はどこにいる?異文化に生きる武士道のこころ』(メディア・ファクトリー)、『アウトロー』(情報センター出版局)など。
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