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しくじり家族

葬儀はカオス。
耳が聴こえない、父と母。
宗教にハマる、祖母。
暴力的な、祖父。
ややこしい家族との関係が愛しくなる。
不器用な一家の再構築エッセイ。
’ぼくの家族は誰も手話が使えなかった。
聴こえない父と母の言語である手話を、誰も覚えようとしなかった。
祖母も祖父も、ふたりの伯母も。
唯一、家族のなかでぼくだけが下手くそなりにも手話を自然に習得し、両親と「会話」していた。
(本文より)’聴こえない両親に代わって、ほんの幼いころから「面倒を見る」立場になることが多かった。
大人からの電話も、難しい手続きも、わからないなりにぼくが対応するしかなかった。
家に祖母の友人などが集まり、楽しそうにしていても、母は微笑んでいるだけだった。
社会から取りこぼされてしまう場面が多い母を見て、いつも胸が締め付けられた。
どうしてみんな母のことを置き去りにするんだろう。
’ふつう’を手に入れたかったぼくは、’ふつう’を擬態することを覚え、故郷を捨てるように東京に出た。
それなりに忙しい日々を送っていたある日、滅多に帰省しないぼくの元に、伯母からの電話があった。
「あのね、おじいちゃん、危篤なの」……。




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