ほんまに悲しいときは、男の子も、泣いてもええんよ──。<br />城山家の、男ばかり六人兄弟の五番目のハァちゃん。<br />感受性が豊かなあまり、幼稚園の先生が辞めると聞いては泣き、童謡に出てくるどんぐりの行方を案じては泣いてしまう。<br />家族に見守られ、友人たちと野山を駆け巡って、力強く成長してゆく過程を瑞々しく描く。<br />心理学者・河合隼雄の遺作となった、せつなく温かな自伝的小説。<br />