昭和二十五年夏。<br />両親に見捨てられた十一歳の亮平は、孤児たちが暮らす施設「めぐみ園」に放り込まれた。<br />厳しい食糧事情、粗暴な上級生、園長夫妻の理不尽、幼い弟妹。<br />亮平は持前の機転と正義感で、自らの道を切り拓いていく。<br />「めぐみ園がなければ、作家になっていなかったかもしれない」――経済小説の巨匠、初の自伝的長編小説。<br />