田中金脈追及のさなかにガンに冒され、わずか半年後、38歳の若さで世を去ったルポライター児玉隆也。<br />田中退陣の導火線となった「淋しき越山会の女王」、水俣病裁判の根源を企業の成立過程にまでさかのぼって探った「チッソだけが、なぜ」をはじめ、児玉が地を這うような取材と、無名の人々への温かい眼差しとを武器に書き残した、数々のルポルタージュから珠玉の9編を収録する。<br />