高度成長期を第一線の経済記者として歩んだ私は、厄年とともに、突然恐怖の宣言をうけた。<br />「禁酒と安静を守らなければ、君は確実に死の道を歩む」……。<br />そして半年間の入院。<br />だが、そこでは酒と過労に責めさいなまれた‘沈黙の臓器’の怒りを鎮め、乾ききった心をいやしてくれる数々の人々に出会うことができた。<br />日本エッセイストクラブ賞を受賞した、小さなコミュニティの物語。<br />