「自分の残り時間を考えた。<br />十年、二十年あるだろうか。<br />そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。<br />老いを前にした焦りかと思ったが、二度とあきらめたくなかった」――50歳で創作活動を始め、第146回直木賞を『蜩ノ記』で受賞した、いま最も中高年に支持されている作家・葉室麟、初めての随筆集。<br />若き日々への回想や出会った人々や書物、直木賞受賞後のあれやこれや。<br />江戸時代の博多を舞台にした短篇小説「夏芝居」も収録。<br />