日本の自然は、私がずっと「草木国土悉皆成仏」という言葉で考えてきたような慈悲に満ちた自然ではなかった――。<br />東日本大震災という未曽有の災害を、著者は近代文明の理念を揺るがすものととらえ、自らの哲学をも厳しく問い直す。<br />最後の教養人であり、大哲学者による、二十年以上続く東京・中日新聞連載のエッセイ最新刊。<br />