熊野詣は、苦しければ苦しいほど来世の御利益が約束されるという非常に困難な旅であった。<br />二流貴族の藤原定家が、不平不満を抱きながら後鳥羽院に同行した折の記録から、彼の人間的側面に迫った定家考。<br />