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定本 オサムシに伝えて

長女が綴った、父・手塚治虫との日々。
虫プロダクションが併設された東京・富士見台から、井荻、清瀬と3つの家を舞台に繰り広げられる、手塚家の生活。
有名マンガ家の家族ということで、ただでさえ普通の家庭とは違うのに、祖父・祖母・母・兄・妹と著者を加えた7人は、全員が際立った個性の持主。
日々の暮らしは「平穏無事」というわけにはいかず、旅行や食事会といった家族イベントも、なかなかスムーズには終わってくれません。
本書では、そんな家庭での手塚治虫の素顔が愛情深く、ユーモラスに描かれています。
特に「どうしようもない我儘な子」だった著者と父とのエピソードは、どれも心に残るものばかり。
後に著者が「手塚イズム」の伝道者となったことの必然性が、本書からは伝わってきます。
表紙装画:桐木憲一




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