大貧帳
無心者や押売りが悪態をついて、これだけの構えに二円や三円の金がないと云う筈はないなどと云い出すと、蔭で聞いていても可笑しくなる。
そう云う俗物にはそんな気がするかも知れないが、無いとなったら洗った様になくなる(本文より)。
質屋、借金、原稿料……飄然としたなかに笑いが滲みでる。
お金にまつわる三八篇。
目次夏の鼻風邪俸給質屋秋宵鬼哭百鬼園旧套風燭記炉前散語御時勢売り喰い志道山人夜話金の縁砂利場大将錬金術書物の差押胸算用揚足取り布哇の弗鬼苑道話雑木林百円札二銭紀他生の縁濡れ衣大晦日歳末無題吸い殻払い残り年頭の債鬼迎春の辞大人片伝 続のんびりした話無恒債者無恒心百鬼園新装黄牛可可貧の記貪凍の記櫛風沐雨高利貸に就いて鬼の冥福
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