老いについて語ることは、幸福について考えることに重なる――。<br />認知症への恐れ、歳を取りそこねるために生じる恥や勘違い、若さへの見苦しい執着。<br />一方、歳を経たがゆえの味わいとは。<br />精神科医が、臨床現場や文学作品のなかに、身につまされる事例や望ましい「年寄り」の姿を探る。<br />哀しくもおかしな老いの見本帳。<br />