運転免許を返納した。<br />転倒が増えた――。<br />85歳という新たな区切りを超えた作家が描く「老いの日常」。<br />優先席での年齢比べ、一向に進まない本の整理、曲げた腰を伸ばす難しさ、隙を見ては襲ってくる眠気、病気との付き合い方。<br />いずれも70歳代のころとは何かが徐々に変わっている。<br />この先の時間に思いを馳せながら、年齢を重ねるなかで生じる失敗や戸惑い、さらに発見や喜びも余さずつづる、老いの日々のスケッチ。<br />