邱飯店交遊録 私が招いた友人たち
自他ともに認める食通でもてなし好きの著者の家には、文人墨客から経済人まで大勢の友人が訪れた。
いつしか自宅は「邱飯店」と呼ばれるようになる。
あばら家の七輪を駆使して佐藤春夫と檀一雄を歓待した時分から、食卓で最も笑いの絶えなかった人・本田宗一郎の思い出まで。
約三十年間のゲストとその日のメニューの記録を振り返る、愉快で美味しい交遊録。
それはある時期の日本文化や経済界の裏面史でもある。
『邱飯店のメニュー』改題。
檀一雄が舌鼓をうった「野鶏巻」と安岡章太郎のお気に入り「芋頭扣肉」のレシピ、人名索引付。
〈解説〉畑中三応子目次最初のお客は佐藤春夫と檀一雄/‘一本刀土俵入り’の世界/‘邱飯店’開店/健啖こそ長寿の秘訣/金を想うがごとく友を想う/メシで釣って文壇へ/‘第三の新人’と友達に/五味康祐、そして有馬頼義/『ミシュラン』『あまカラ』『東京いい店うまい店』/小島政二郎・白井喬二・子母沢寛/梅崎春生のメスの羊/‘邱飯店’の名付親・池島信平/スポンサーの鑑・鶴屋八幡/大編集者の風貌と条件/‘日本料理は滅亡する’/宰相御曹司、舌鼓を打つ/獅子文六の「バナナ」/市村清と今東光のコンビ/栗田春生の痛快な人生/大屋晋三とカ、カ、カのかあちゃん/メニューに出ない料理のメニュー/‘違いのわかる男’たちの話/永遠の少女・森茉莉/西洋料理のコックを雇う/政情が描く台湾の料理地図/コックを雇って精神修養/年と共に変る料理の中身/大宴のメニューは自分でつくる/宰相夫人佐藤寛子ミニおばさん/‘食通知ったかぶり’紳士録/紅焼大網鮑と砂鍋大排翅/『邱家の中国家庭料理』楽屋話/美食と大食は紙一重/カミナリ族の大親分本田宗一郎/高度成長の立役者盛田昭夫夫妻/招待状を書く楽しみは残しておいて
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