悪役令嬢がポンコツすぎて、王子と婚約破棄に至りません
トゼーフ侯爵家の長女ベアトリクスは好奇心旺盛で純粋無垢な17歳。
淡いピンク色の髪はふわふわとした綿毛のようだし、煌めく瞳は鮮やかなエメラルドグリーンで夏の海を思い出させ、妖精のような姫だと言われている。
だが実際のベアトリクスは、「’良いこと’を思いついたの」と言うたびに珍妙ことを口にする、変な姫君でもある。
そんなベアトリクスが目をキラキラさせながら、侍女に打ち明ける。
クゼオンダ国の教育分野に造詣の深い天才第二王子シモンとの婚約を、よりにもよって破棄することを思いついたというのだ。
「私も悪役令嬢になろうと思うの!」。
ベアトリクスの計画はシモンに誰か別の令嬢に恋をさせ、自分との婚約を破棄させようというのだ。
折しも転入してきたばかりのカラベルト男爵家の令嬢セシリアの存在を知ったベアトリクスは、さっそくセシリアに近づくのだが……
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