吾輩はウツである ‘作家・夏目漱石’誕生異聞
「おまえさん、ナニサマのつもりだ」(by猫)――『吾輩は猫である』が生まれた舞台裏には、こんなドラマがあった!?明治36年(1903)4月、小泉八雲が辞めさせられたことで学生たちの不満うずまく帝大に、夏目金之助(のちの漱石)が講師として赴任する。
不穏な空気の中、学生たちの冷たい視線に晒される金之助は、毎日、不満と苛立ちを抱えながら教壇に立っていた。
さらに、失恋で人生をはかなむ学生・藤村操が目の前に現れ、金之助の気持ちはますます不安定になっていく。
そんなとき、一匹の小さな黒猫が夏目家に迷い込んだ。
心を病み始めた金之助は、その黒猫と会話をし始める。
しかし、その黒猫と会話ができるのは金之助だけだった。
一方、病ゆえに突如として怒りを暴発させるようになった金之助に対し、妻・鏡子は一念発起。
金之助の病を治すべく、ある行動を起こしたのだが……。
夏目漱石を長年にわたって研究し続けてきた著者が、歴史的事実をモチーフに、不世出の文豪が誕生するまでをドラマチックに描く、異色の長編小説。
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