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話し言葉で読める「方丈記」

日本人なら一度は読んでおきたい古典文学がある。
『源氏物語』『枕草子』『奥の細道』など。
それに、冒頭の「行く河の流れはたえずして、しかももとの水にあらず」の有名な一節で始まる、鴨長明の『方丈記』だ。
冒頭部分は知っていても、現在の文庫本に直して数十ページしかないこの短い名随筆を、いったいどれほどの日本人が読んでいるだろう。
古語の難しさ、文法の難しさのまえに、ほとんど読まれていないのが実際のところだろう。
ならばいっそのこと、もし我々が普段使っている現代語で、鴨長明が『方丈記』を書いたなら、きっとこんな具合に書いただろうという、大胆な発想で「リライト」(?)したのが、本書である。
読みやすさはいうまでもないが、長尾剛さんが設定した鴨長明の性格を反映した文章は、まさに傑作。
「訳」ではなく「リライト」といった意味をご理解いただけると思う。
無常観を述べた『方丈記」だが、それが実感できる画期的一冊。




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