男の嗜み 「野暮な人」といわれていないか
嗜みは三つの意味(好み、能力、作法)を併せ持つ言葉で、一言でいえば「好きなものをよい作法、心構えで味わえること」だという。
好きなものが「やれる、できる」ではなく、よい作法、心構えで行い、味わうことができる――それが嗜みの本質であり、そのためには人としての成熟が不可欠になる。
ただし、作法や心構えは抑制が過ぎると、たちまち没個性に陥る。
作法を押さえたうえで、いかに自分らしく振る舞うか、振る舞えるか――これこそ嗜みの肝であり、そこでカギを握るのは「これ見よがしではない、さりげなさ」という意識ではないかと著者は言う。
言い換えれば、「いかにイヤらしくなく、自分を表現できるか」である。
「趣味」「遊び」「食・酒」「旅」「おしゃれ」を上手に楽しむ女性は多いが、男だって楽しまない手はない。
まわりから「野暮な人」と言われることなく、好きなものを楽しみ、人生を後悔しないためのヒントが満載された粋なエッセイ集。
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