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苦しみとの向き合い方 言志四録の人間学

「天はなぜ自分をこの世に生みだし、何の用をさせようとするのか。
自分はすでに天の物であるからには、必ず天から命ぜられた役目があるはずだ。
その天の役目をつつしんで果たさなければ、必ず天罰を受けるだろう」……幕末の武士たちに競うように読まれた佐藤一斎の名著『言志四録』の一説である。
現代人は、ここに表わされたような「人生の意味」について考えることを忘れ、日々をカネと栄達のために生きるのが当たり前になってしまった。
だが、追い求めるカネや栄誉にありつける人は少ない。
だからおのずと、「人生が苦しく」なる。
加えて、病気になったり挫折したりすれば、立ち直れなくなってしまう。
受験勉強に明け暮れ、よい本も読まず、プラグマティックな人生には、「人間学」がない。
現代ほど、「人間学」を学び直さねばならない時代はないだろう。
本書では、さまざまな人物の「苦しみとの対峙の仕方」を通じて、人生の不可欠事を説く。




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