安奈淳物語 私は歌う、命ある限り
歌ってよし、踊ってよし、ピアノを弾かせてよし。
宝塚歌劇の黄金時代を築いた名声は、退団後の彼女(安奈淳)の舞台人としての未来の豊穣さを約束していた。
ところが突然、彼女を病魔が襲う。
病院に担ぎ込まれた時には、「あと1時間入院が遅れていたら命はなかったでしょう」と医師に言われたほど重篤な状況であった。
その病気の名は、「全身性エリテマトーデス」。
膠原病と呼ばれる病気の一形態とされる。
安奈はこの絶体絶命のピンチから、持ち前の負けん気と努力で這い上がり、再びスポットライトを浴びるまでに回復していく。
――清く、正しく、美しく。
これは宝塚歌劇団の創立者・小林一三翁の遺訓であるが、安奈に関して言えば、‘強い’という言葉のこれほど似合う女性もいないだろう。
まさに彼女は実生活においても‘オスカル’であり続けていたのかもしれない。
本書はまさに、不屈の魂を持った強き女性の物語である。
(「プロローグ」より抜粋)
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