この地球上には「失われた世界」というものが確かに存在する。<br />いにしえの栄華の面影だけが残るその地を、私たち家族は、三十年の歳月を経て、誰も死なずに生きて再び訪れた。<br />私たちに対する運命の甘やかし方に、私は空恐ろしいほどの思いであった――。<br />家族と共に思い出の地メキシコ・グァテマラを旅した著者。<br />アステカの神々、マヤの戦士たちとひそやかに語り合いながら過ごした一夏を綴る。<br />