フランス日記 日々ごはん特別編
日々ごはんが旅に出ました。
『日々ごはん』(1)?(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。
<ある日の日記より>マルシェはすごかった。
とにかく野菜がいきいきと暴れているように並んでいる。
魚介屋も、ハムやソーセージ屋、フロマージュ屋も、どこもとても新鮮そう。
アジアの市場しか知らない私には、それが不思議だった。
市場と呼ぶにはあまりに清潔だし、いきいきと光っている。
アジアでも日本でも、市場に行くたびに私が感じるのは、新鮮さとは裏腹にあるもの。
つまり、腐ったりゴミになっていく食材や、ぬかるんだ道端のことだ。
人が生きたり死んだりするのとそっくり同じことが、目の前にぶちまけられているようで、無神経ともいえるそのたくましいパワーにいつも私は負ける。
でも、ここにはそういうものがまるで見えないし、匂いもしない。
これがヨーロッパ文化なのだろうか。
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