罪償いの家
その嵐の夜に、私は見たのだ。
闇の中で折檻される男と、それを見つめる少年の姿を。
この家にはどんな秘密があるのか…。
職無し、貯金無しの主人公が、ヒッチハイク中にたどり着いた、さびれた港町。
知り合った男の家に泊まる事になり、その深夜に不可解な出来事に遭遇する。
その大きな屋敷のどこからか聞こえてくる、苦しそうな男のうめき声。
それは敷地内の蔵の中から聞こえてくるのだが…。
「うぅぅぅ…うぅぅ…」「こん畜生! もっと泣け! 懺悔しろ! まだ勘弁しねえぞ! 姉貴は、テメェのせいで…」「───いつもなんだ」 主人公を屋敷に招いた男が、縛られた男を鞭で打ち据え、嬲るその姿を、少年はじっと見つめていたのだ。
男×男のSM専門誌『SUPER SM-Z No.23』に掲載された、ゲイSM小説を配信!「男の、野太い泣き声のような呻きは、けたたましい暴風雨の中でも、地鳴りの様な響きを持って客間まで届いてくる。
『や、やめてくれ! うぐ! ああああああ!』私は枕に顔を埋め布団をかぶり、その呻きを塞ごうとするが、一度耳に入ってしまった泣き声は、私の想像力を触発しつづける。
五感が研ぎ澄まされ、目を閉じると、余計にあの男が折檻に堪えている光景が鮮明に浮かんでしまうのだ。
屈強な男が、涙を流し折檻に堪えている…。
」(本文より)
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