毎年の初詣では、どんなことを願いますか?「今年一年、健康でありますように」ではありませんか? 多くの人が「健康でいたい」「健康になりたい」と考えています。でも私たちが願う「健康」って、どんな状態のことでしょうか? 病気にならないことでしょうか? 健康診断の結果がオールAであることでしょうか? どちらも間違いとは言いきれませんが、正解でもありません。病気でなかったとしても、健康診断の結果がオールAだったとしても、「なんとなく疲れがとれない」「なんとなく眠れない」という症状がある場合は、「未病」の状態にあると言えます。理由もなく疲れがとれなかったり、理由もなく眠れないということはありません。著者である順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は、自律神経研究の第一人者で、日本で初めて便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもあります。小林先生は、毎日医師として患者さんを診察するなかで、最近気になっていることがありました。それは、健康になるために本当に必要なことが、なかなか患者さんに伝わらないこと。そして、健康であろうとするために健康を害している人が山ほどいるということです。現在、様々な健康の情報が流れています。私たちはいつの間にか「目新しい情報」や「奇をてらった情報」にしか反応しなくなっていないでしょうか? 聞きなれた当たり前の健康法に耳を傾けることができているでしょうか? 当たり前のことをきちんと実践しているでしょうか? 医師は患者さんに代わって生活することができません。「健康になるために何をすべきか」を伝えても、それを実践するかしないかは患者さん本人しか決められません。と小林先生は本書の中に記しています。この本には、小林先生が、健康であるために実践してもらいたいこと、大切にしておいてほしいことが詰まっています。やみくもに「健康」を追いかけるよりも、健康の正体を知り、いま一度、自分の生活を見直すきっかけに本書がなれば幸いです。【プロフィール】小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授を歴任、現職に至る。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。また、日本ではじめて便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもある。『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)など、ベストセラー多数。